zo-santotea’s diary

読書日記。1週間に3回アウトプット。

○「群集心理」ギュスターヴ・ル・ポン

1921年とかに書かれてるいい。原敬が殺された年らしい。物騒な時代だ。今なら当たり前なのかもしれないけど、そんな時代にこの本が書かれていることにびっくりした。

 

群衆心理を引っ張れるのは理論ではなく感情だ。どんなに理論がすごくても納得いくものだったとしても、勝つわけではない。心に響くキャッチフレーズみたいなのが勝つんだろうな。例えば学者のように論理的に考えられる人であっても群衆の中では埋没する。理論的に考えられない。だから、魔女裁判みたいなのがあった。

そして、群衆だと自分の責任という感覚が乏しくなるため、凶暴にもなれる。人も殺せてしまう。

数は強い。

 

この本ではナポレオンが出てきた。フランスの群衆の心は掴めたけれど、ラテン系の心が掴めなかった。群衆心理は民族により異なる。文化というか根っこのようなものがあるから、それぞれで違う。心理を掴みたいならよく観察する必要がある。

 

ローマが国として成功したのは共通のこれがいいっていう群衆心理が出来たからだと言っている。なるほど。

 

今はネットが発達しているから冷静に慣れるしあんまり当てはまらないのかなとか思ったけど、フェイクニュースなど、冷静に判断できないことも多数ある。

きっと無意識のうちに判断してしまっていることに群衆心理が働いている。

 

みんながやっているからやるとか、持っているから欲しくなる。手放しているから私も。

書いててあっ、これが心理かって思った。自分の中でそういう感情が浮かんだら、「これが心理か」と冷静になりたい。そう思わせてくれる本だった。

 

また読もう。

 

 

2021/7/1-9/12