zo-santotea’s diary

読書日記。1週間に3回アウトプット。

「しんがり 山一證券最後の12人」清武英利

江口洋介のドラマを見出して、興味を持って読んでみた。

山一證券と言えば、社長の「社員は悪くありません」という泣きながらの会見のイメージ。

正直あの社長も何も知らない段階で社長に祭り上げられたなんて知らなかった。

 

山一證券コンプラ感覚がひどいけど、他もそんなもんなのではないかと思う。三菱電機なんてこの前も検査の不正のニュース出てたし。

集団の中にいると個が霞む。最初の一歩は小さかったんだと思うけど、気がついたら戻れなくなるんだろうな。

 

山一證券の人は90%再就職しているらしい。もともと優秀だったのか。社長の記者会見が世間の同情をかったのか。あと、人脈かな。誰々を引っ張るとかツテがあったぽい。うん、仕事って人脈だよね。縁というのか。どれだけ縁を作れるか。私は??と考えちゃう。

どんな人でも仕事というかやることがあれば頑張れる。輝ける。場末と呼ばれてた人がやり遂げたんだもん。そういう場を自分で用意できるか。そういう場所に行けるかというのが、人生の違いなのかな。

 

報告書を苦労して作り上げて発表した記述は涙がでた。主人公も役員だったから、山一の虚偽記載で訴えられていた被告の1人だった。報告書を出したことで訴えられていたた訴訟の何件かは主人公分は取り下げられた。でも、役員として名を連ねたからには善管注意義務がある。社内を、牛耳っていた会長より社長のほうが罪が重かったんだって。責任を果たさないということ自体罪なのか。

 

この会社にずっといるという終身雇用。バスという限られた空間の中に乗って終電までみんなで運ばれていく感覚。

私はこんなことがしたいんじゃないと思う人。

二通りの人がいる。ただ、後者もだんだん前者になっていく。惰性、慣性。

 

頑張りきれるのか。自分を信じきれるのか。挑戦し続けられるのか。

そう書かれている気がする。

 

2021/8/30-9/10