zo-santotea’s diary

読書日記。1週間に3回アウトプット。

「日本軍の教訓」日下公人

建制。制度を建てるという言葉を始めて聞いた。自ら制度を整備して運用していくという、主体性を持った言葉だ。

お客様の声を反映するという現代のオンデマンドではなくて、例えば主婦を家事から解放するというような、こうしたいという意思を持ったアクション。アクトには人にやらせるという意味もある。

自分がこうしたい、主体性を持った行動が現代は少なくなったと筆者は主張するし、実際そうだと感じる。なにかをして責任を負うのを避けている。

 

主体性を持って行動していた例として軍隊が書かれている。

 

それぞれの軍隊は制度を守り、臨機応変に現場で創意工夫をしていた日本軍を高く評価している。日本人は一人一人の文明度が高いため、マニュアル化するわけではなく、いい働きをした。平時は20個師団、兵員数20万人規模が最終的に194個師団、547万人規模になっているなんてすごい。

 

問題点としては、参謀が良く無かったと述べられている。

戦略を達成するために戦術があるはずだが、日本軍は戦術ばかりを考えて戦略がなかった。そもそも、目的というか、戦後こういう世界を作りたいという、未来像が描けていなかった。

そのためなのか、各社の戦いの意味をきちんと把握できていなかったら、全体的に打つ手が後手後手に回ってしまった。

上層部が狭い世界で、人事がかばい合いのようになっていた。

また、必殺技をパールハーバーという初戦で見せてしまったのもいただけなかった。

 

恒久平和を行っている日本で、戦争をまたするというのは、タブーのようになっているが、戦争-平和-戦争-平和って繰り返している世界なのだから、戦争についても考えテーブルに乗せるという考えに、納得した。

 

主体性をもってストーリーを考えて目的を持って手段を実施していくって事だろうな。

歴史に学ぶって言うけれど、こう言うことなのかなと実感した。

 

 

2019/9/25-2019/10/4