この前俵屋宗達の本を読んだが、文庫本だったからあまり作品が掲載されていないし、カラーじゃなかったから、カラーで説明してくれているこの本は嬉しい。
琳派は、デザイン性。写実的というよりはどう背景を金銀泥で塗るなど、どう見せるかを追求してる。大胆だし。あと、硯箱も平らじゃなくて丸みを持たせるとかね。
動物などの表情が豊か。可愛らしい。
そして、たらしこみ。淡い感じが好き。
などなど、なんとなく特徴を話せるようになった。
本に年表があったので、勉強になった。
和歌と絵の関わり合いが面白かった。
夏の鶴は番で描かれ、冬の鶴は群で飛ぶ鶴が描かれることが多いらしい。
鶴は古くから瑞鳥(現世での福を象徴するズイチョウ)で、あの頭の長い七福神の福禄寿が連れる動物として現世的な福のシンボルなんだって。
尾形光琳の燕子花図屏風は、伊勢物語を描いているって知らなかった。
都から失意のうちに東国に向かった主人公たちが三河国八橋で一面に咲いた燕子花を見て読んだ歌の頭文字からきてる。
から衣
きつつ慣れなし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
あと嵯峨本。教科書などでよく聞いていて、嵯峨で作った本くらいに思っていたけど、雲母刷りできれい。今の特殊な装飾用紙見たい。よく江戸時代にこんなの作ったね。
舟橋蒔絵硯箱は後撰和歌集の源等の歌「東路の佐野の舟橋かけてのみ思い渡るを知る人ぞなき」から、「舟橋」の字を省略して鉛板の装飾で表しているのが素晴らしい。
酒井抱一の夏秋草図屏風は、前も書いたが、光琳の風神雷神図屏風の裏に、徳川家斉の父のために描かれた。翌年、家斉の娘が酒井家に輿入れしてるから賄賂なのかな。風神の裏に風になびく秋草、雷神の裏に雨に打たれる夏草。
あと、作品として面白かったのは藤島武二の梅というミュシャにインスパイアされた後と、今村紫紅の作品かな。
2018/10/26-2018/11/5